電源接続案件一括検討プロセスの概要

電源接続案件一括検討プロセスの概要

1.電源接続案件一括検討プロセス(以下、「一括検討」という。)とは

基幹系統及びローカル系統にはノンファーム型接続が適用されており、今後は個別の電源接続の都度ではなく、費用便益評価に基づき系統増強を行っていきますが、ノンファーム型接続が適用されない設備(配電用変圧器および特別高圧以上の配電設備)に関しては、系統連系希望者からの申込みに基づく接続検討の結果、送電系統の容量が不足すれば、増強工事が必要となる場合があります。このような場合、仮に近隣で系統連系希望者がいるにもかかわらず、単独での連系等を前提に増強工事を行うと継ぎ接ぎの非効率な系統整備となる恐れがあります。また、工事費負担金が高額である場合には、単独負担を前提とすると工事費負担金を支払うことが困難であるとして、系統連系が進まない状況となる恐れもあります。そこで、近隣の案件も含めた対策を立案し、そこでの連系等を希望する系統連系希望者で増強工事費を共同負担することにより、効率的な系統整備等を図ることを目的とする手続です。
また、一括検討は連系先となる送電系統を運用する一般送配電事業者(当社)又は配電事業者が窓口となり、一括検討の対象となり得る設備を運用する一般送配電事業者(当社) 又は配電事業者が主宰いたします。
なお、基幹系統及びローカル系統にはノンファーム型接続が適用されているため、系統連系希望者が共同負担して一括検討プロセスにてノンファーム型接続 が適用されない設備の増強を行ったとしても,基幹系統及びローカル系統混雑 時には出力制御される場合があります。

2.一括検討のフロー

系統アクセス業務の主なフローは以下のとおりです(点線部が一括検討の範囲)。

3.一括検討開始の対象となり得る設備

一括検討開始の対象となり得る設備(以下「一括検討開始対象設備」という。)は、原則、配電用変圧器及び特別高圧以上の配電設備といたします

効率的な系統整備の観点等から、以下の設備は対象外といたします。
  • ・発電設備等の設置場所から既設送電系統の連系点までの間に新設する設備
  • ・配電用変電所におけるバンク逆潮流の対策に必要な設備
  • ・N-1故障時に発電抑制を実施できるようにするための設備
  • *「効率的な系統整備の観点等」とは、系統連系希望者の連系等が繰り返し行われることで、非効率な系統整備になること等を回避することを意図しております。そのため、一般送配電事業者(当社)及び配電事業者は、複数の系統連系希望者の応募の蓋然性が高いと見込まれると判断した場合は、一括検討を開始いたします。なお、繰り返しの系統整備が見込まれない場合(例:※で対象外とした設備等の工事)や複数の系統連系希望者の応募の蓋然性が低いと判断できる場合には、一般送配電事業者(当社)及び配電事業者は、一括検討を開始せず、開始申込みをした系統連系希望者に対し、契約申込みその他の適切な対応を行うよう求めます。

4.一括検討で募集する対象電源

一括検討で募集する電源は「募集対象エリアにおいて、高圧又は特別高圧の送電系統に連系等して電力を流入する発電設備等」といたします。

5.一括検討の留意事項

一般送配電事業者(当社)及び配電事業者は、一括検討中に系統連系希望者から受領した資料を当該一括検討の遂行及び当該一括検討完了後の系統アクセス業務以外の目的で使用いたしません。また、同資料については返却いたしません。

一括検討の開始申込み及び応募申込みをした系統連系希望者が、電力広域的運営推進機関(以下、「広域機関」という。)の「送配電等業務指針」又は「業務規程第80条の規定に基づく電源接続案件一括検討プロセスの実施に関する手続等について」に違反した場合その他当該一括検討の公平性又は透明性を阻害する行為等を行った場合は、連系先となる送電系統を運用する一般送配電事業者(当社)又は配電事業者は、当該系統連系希望者を一括検討から辞退したものとして取り扱うことができます。