「ひかりの風景」デジタル写真コンテスト
多くの皆さまにご好評いただいた「おきでんイルミネーション大賞」のコンセプトをさらに発展させ、より多くの県民の皆さまに「電気のひかり」が持つ“あたたかさ”や“華やかさ”、“安心感”などに触れていただけるよう、どなたでもお気軽にご参加いただける、おきでん「ひかりの風景」デジタル写真コンテストを創設しました。
お知らせ
第16回おきでん「ひかりの風景」デジタル写真コンテスト入賞作品を発表!応募総数1,396作品の中から、以下の30作品が入賞作品に選ばれました。たくさんのご応募ありがとうございました。
大賞
優秀賞
一般部門
「暮らし」
「夜景」
「沖縄」
ジュニア部門
奨励賞
一般部門
「暮らし」
「夜景」
「沖縄」
ジュニア部門
特別賞
一般部門
審査委員講評
- 【島元 智 審査委員】
- アメリカの写真家、エメットゴーウイン(EMMET GOWIN)が述べた記述の中に次のようなことがあります。「私たちは家族との結びつきから抜け出すことが出来ない」と、その意味を考えると、私たちは日頃、家族について、深く考えることなく空気の様に当たり前の存在、となっているのではないかと思います。
家族の姿は、どの家族もその形態は違っている筈です。密な家族愛が築かれた姿があれば、その愛が希薄な家庭、あるいは険悪な状態の家族、更には親子の断絶的な家庭も世の中にはあるかと思います。しかし、エメットが述べているのは、その姿、形態がなんであろうとも、結びつきが消えていると言うのは言葉だけであって、実際は目に見えない結びつきがあり消えることはない、と述べているのではないでしょうか。
写真活動を志す場合、このエメットの言葉を学ぶ必要を感じないわけにはいかないと、切に思うのです。それを学ぶことによってこそ、感動的な作品を創作できる、そう思うのです。
おきでん「ひかりの風景」デジタル写真コンテスト応募作品には、家族の絆が捉えられた、作品が実に多いのに驚きます。その意味で沖縄の写真文化を支え発展継続していくには、なくてはならない、貴重なコンクールだと感じました。そしてそのようなコンクールの審査員として、携わらせていただいた主催者に感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。
- 【仲本 賢 審査委員】
- 本コンテストは今年で第16回を迎えました。
私にとっては初めての審査員としての参加となりましたが、4つの部門(暮らし、夜景、沖縄、ジュニアの部門)のどれも見ていて楽しい審査となりました。そして選ぶのが難しい作品たちでもありました。今改めて見返してもどれも捨てがたく、迷ってしまいます。
それでも審査ですので、どちらかと言えばこちらというように苦渋の決断をいたしました。そして5名の審査員によって選ばれたのが今回の結果です。
まず、大賞と優秀賞は審査員のほとんどがある程度の作品性を認めて、予備知識がなくても「いい写真だな」というものが選ばれた気がします。それぞれに写真としてのインパクトがありました。
そして奨励賞を受賞した作品は当然それに続く作品群です。しかしよくよく見ると中には、私自身が高得点をつけた作品もこの中に含まれていることから、(もちろんそれがどれかは言いませんが)それぞれの審査員が一押しだったにも関わらず、他の審査員には見落とされた作品もあったのではないかと推測されます。
そして特別賞ですが、これは私たち審査員のそれぞれが、他の審査員の意見によらずに自由に推薦できる枠ですので、最終審査に残った作品の中からある程度独断で選んだ作品群となります。そのため、どうしても外せない、個々の各審査員の個性が出た面白い作品群となっています。
なお、初めて作品を見た審査の段階から、難しい審査になることを予見していた審査員も多くいらっしゃいました。それくらい甲乙付け難い作品ですので、皆様も全てをまたは多くを楽しめると思います。
ご応募いただいた気持ちのこもったこれらの写真を通して、電気の光の持つ温かさや安心感を様々な角度で、楽しんでいただけると確信しています。
- 【比嘉 友理 審査委員】
- 第16回おきでん「ひかりの風景」デジタル写真コンテストの開催おめでとうございます。
「電気のひかり」が持つ“あたたかさ”“華やかさ”“安心感”に触れられる作品、と言う観点を持って審査に加わらせていただきました。応募総数1,396点の頂に立った受賞者の作品は、それぞれが生き生きと輝いて、細部まで見惚れてしまう作品ばかりでした。
ジュニアの優秀賞に輝いた桃原友歌さん、夕方の菊農家での撮影、どのように声をかけて撮らせていただいたのでしょうか。電気のひかりによって成長していく菊と、農家の営みが「ひかりの風景」デジタル写真コンテストにピッタリと合致した素晴らしい作品でした。農家の方の表情はよく見ると口を固く結んでいて、肉体的な疲労が滲んでいる瞬間とも受け取れるのですが「おはよう」とタイトルをつけたことによって、仕事人としての人間的な強さや菊への愛情が感じられる良い方向づけがなされたと感じました。本当におめでとうございます。また、撮らせてくださった被写体の方への感謝も忘れないでください。
日頃高校生と接する職業であることから、特にジュニア部門の作品については40点くらいに絞り込んでからはどれも技術的にも作品のテーマの点からも削り難く、コメントやタイトルから想像を膨らませると審査は迷宮入りしていく一方で、匙を投げたくなる瞬間もありました。しかしながら最終審査は5名の意見で行うことから、個人の主張や思惑は見事に外れていき、審査そのものの成り行きも非常にドラマティックでした。お見せできないのが残念です。一般、ジュニア部門それぞれに、入賞を逃した作品の中にも拍手喝采を贈りたい作品が数多くあり、コンテストの妙をしみじみと感じました。
最後に、応募された作品に対しての感謝とともに、今年もこのようなコンテストの機会をつくって下さっている沖縄電力株式会社さまに感謝申し上げます。
- 【高良 久美子 審査委員】
- いつでも どこでも どなたでも 写真が気軽に楽しめる時代になりました。特にスマートフォンのカメラ性能の進化で素晴らしい作品が生み出されてきています。デジタル写真コンテスト「電気がつくり出すひかりの風景」をテーマに寄せられた約1400点の秀作を、期待に胸を躍らせながら審査させていただきました。作品からは様々な情景やストーリーが思い浮かべられて、写真集をめくるような楽しみと感動の連続でした。
日々の何気ない風景や人物、物など身近にあるものを題材にした「暮らし」、幻想的でロマンチックな雰囲気が漂う「夜景」、郷土愛からなる「沖縄」、大人の感覚と違った新しい目線の「ジュニア」の各部門において、この瞬間をだれかと分かち合いたいという撮影者の表現力、世界観によって仕上がった魅力的な作品が多くありました。ひかりで灯された子どもの純粋無垢な表情、家族と過ごす和やかな時間、ライトアップされた街並み、ユニークな構図で切り取った作品など、どれも人の心をつかむ作品です。また夜景写真は、スローシャッターで光跡を写すなど難しい撮影技術が必要とされたとも思います。
人々の暮らしの中に電気(ひかり)がどのように表現されているのか、選考するにあたり創造性と構図、かつ光と影のバランスを基準にしました。事実を的確に伝えることが求められる新聞などの報道写真とは違い、写真の画角に写されることで日常が特別なものに変わり、見る人を楽しませる、安らぎを与える作品が選ばれました。
電気(ひかり)のある暮らしは、人のぬくもり、家族の絆、街の輝きを映し出し、私たちに希望をもたらしてくれています。そんな写真をたくさん撮り続けることが写真の腕の上達にもつながります。次回も感動を与えてくれる「ひかりの風景」をお待ちしております。
- 【又吉 優子 審査委員】
- 16回目を迎えた今回は、昨年を上回る1,400点近くのご応募をいただきありがとうございます。当コンテストが、県民の皆さまに定着してきたことの顕れと、主催者側として大変嬉しく思います。
今回は、新型コロナウイルス感染症の五類移行により行動制限が緩和されたことで、地域に戻ってきた伝統行事やお祭りの賑わいと人々の高揚感、人と人との触れ合いからにじみ出る温かさを切り取った作品が多い印象を受けました。作品に写し出された「戻ってきた日常の風景」に、電気が作り出すひかりが “あたたかさ”や“華やかさ”そして“安心感”を添え、作品数もさることながら、どれもが個性と魅力を放ち極めて困難な審査となりました。
何気ない日常に訪れた貴重なワンシーンを、スマートフォンで逃さず収めた作品、一眼レフや専用の機材を用い、ご自身のイメージするテーマにこだわり抜いて納得いくまで創り上げられた作品。プロセスや機材は異なりますが、全ての作品に撮影者それぞれの個性やストーリーが溢れだし、県内の写真レベルの高さと写真文化の広がりを感じることが出来ました。県内の写真文化を未来に紡いでいく一助を担う自負の下、当コンテストが県民の皆さまに益々愛され、親しまれるものとなるよう、今後も運営に努めさせていただきます。次回も、素敵な「ひかりの風景」をお待ちしています。