無電柱化の推進に向けた取り組みについて

無電柱化の推進に向けた取り組みについて

1.無電柱化とは?

なぜ無電柱化をするの?

〇無電柱化の3つの目的

  • ◆防災機能の向上・・・
    台風などの災害時に電柱が倒壊し道路が通行できなくなり、避難所へのアクセスや緊急活動の支障となることを防ぎます。
  • ◆安全で快適な歩行空間の確保・・・
    ベビーカーや車いすの方など、すべての利用者が移動しやすい安全で快適な通行空間を確保します。
  • ◆良好な都市景観の創出・・・
    地上にはりめぐらされた電線類が地中化などにより見えなくなるため、美しい街並みが形成されます。
無電柱化の3つの目的

2.沖縄県における無電柱化の現状と課題

路路上から電柱を減らしていく無電柱化の推進は、国・県・市町村の道路管理者による整備だけでなく、電柱の所有者である当社や通信事業者、沿道自治体、地域の皆様のご協力が必要不可欠です。沖縄県では「防災性の向上」「安全で快適な通行空間の確保」「良好な景観形成」等の観点から、官民一体となり無電柱化を進めております。
沖縄ブロック無電柱化推進協議会(※)において令和3年12月に合意した第8期無電柱化推進計画(令和3年~令和7年)の合意延長は97kmと、これまでで最も大きくなっております。(図1)
道路管理者が実施している無電柱化事業では電線共同溝事業が大半を占めており、無電柱化を促進するためには電線共同溝事業による整備が必要不可欠である一方、「工事期間の長さ」や「多額の整備コスト」が課題となっており、県内の無電柱化事業がなかなか進んでいないのが現状です。(図2)
これら課題を解決する為に、当社としても国や沖縄県、各自治体と協力しながら無電柱化をさらに推進して参ります。

※沖縄ブロック無電柱化推進協議会とは・・・
全国10ブロックのうち、沖縄ブロックにおける道路管理者・電線管理者・地方公共団体等関係者により構成され、無電柱化推進検討会議が策定した無電柱化地域の範囲や、費用負担の考え方に基づき無電柱化実施箇所を決定する会議体です。

写真 無電柱化推進計画

図1 沖縄ブロック無電柱化推進計画における合意延長推移グラフ

写真 工期の長さイメージ

図2 電線共同溝事業における工期の長さイメージ(出典:国土交通省のホームページ)

3.無電柱化推進に向けた取り組み

〇沖電グループによる電線共同溝等工事の包括受託

  • ◆調整が煩わしい関係者協議を「コンサル業務」として道路管理者に成り代わり沖電グループにてワンストップで代行します。
  • ◆設計・施工業務と合わせ包括的に沖電グループで受託することで、円滑な電線共同溝の整備を提案し事業のスピードアップ化を実現します。
3.無電柱化推進に向けた取り組み

〇低コスト手法による提案

  • ◆無電柱化事業の低コスト化に向け、ブロック協議会や路線協議の機会を捉えて、一般送配電事業者から現場状況毎の様々な無電柱化整備メニューを提示することで、コスト低減を推進します。
  • 【既存ストック活用方式】・・・
    電線管理者等が所有する既設の地中管路やマンホール等を電線共同溝の一部として活用する方式
  • 【浅層埋設】・・・
    管路を従来よりも浅い位置に埋設することで、掘削土量の削減、既設埋設物の支障移設回避が可能
  • 【ソフト地中化方式】・・・
    街路灯との共用柱を用いて柱上に変圧器を設置することで、歩道上に設置する地上機器の設置台数を抑制することが可能
  • 【小型ボックス】・・・
    管路の代わりに複数のケーブルの収容が可能なトラフ状の構造物を敷設し、電線共同溝本体の構造をコンパクト化する方式

4.無電柱化事例の紹介

【No①:繁華街における無電柱化(那覇市 国際通り)】

沖縄県で最も賑やかな通りであり那覇最大の繁華街です。雑居ビルや飲食店が立ち並び、多くの観光客が訪れます。商業地域であることから、電力需要が大きく、無電柱化にあたり多くの地上機器を設置する必要がありましたが、店舗の正面ということもあり、設置場所の確保が困難でした。地上機器の位置や工事等について、地元通り会と道路管理者、電線管理者で度重なる協議を図りながら無電柱化を実現しました。

写真 【国際通り整備前】
写真 【国際通り整備後】

【No②:歩道が狭く地上機器の設置が困難な場所における無電柱化(宮古島市 市場通り ・ 那覇市 首里駅周辺)】

宮古島市市場通りは、多くの飲食店や雑居ビルが立ち並び、多くの観光客が訪れる場所ですが、歩道幅が狭く地上機器を設置するスペースの確保が困難なため、無電柱化には不向きなエリアでした。そこで、地上機器の設置台数を出来る限り減少させるため、沖縄において初めて道路照明と変圧器が一体となった柱体を設置する「ソフト地中化」を採用することにより無電柱化を図りました。
※その後、モノレール沿線沿いの環状2号線においても「ソフト地中化」が導入されました。

⇒無電柱化ベストプラクティス集へ掲載されました。

写真 【ソフト地中化における柱体】

【No③:歩道がなく路上に地上機器の設置が出来ない場所における無電柱化(竹富町 竹富島)】

町道大桝線沿道内の集落は「重要伝統的構造物保存地区」に選定されており、将来的な世界遺産への登録を視野に入れ、無電柱化することで合意しました。
歩道がなく、路上に地上機器を設置するスペースがないため、竹富町が民地の一部を買い取り用地を確保しました。地上機器の操作時は、メンテナンスの際には需要者敷地内への立ち入りが必要であることから、弊社と需要者間にて、敷地内立ち入りに関する協定を締結しています。⇒道路管理者、沿道需要家、電線管理者が三位一体となって実現

写真 【竹富島】

【No④:工期順守を目的とした電線管理者主体による無電柱化(うるま市 県道16号線)】

県道16号線は一括交付金を活用した沖縄県の要請者負担方式による無電柱化です。事業区間の調整や地権者、沿道自治体等、関係者との協議に時間を要したことから、無電柱化の整備が一括交付金の交付期限に納まらない可能性がありました。
沿道に敷設された電力既存埋設管路を電線共同溝に取り込む「既存ストック活用方式」を弊社より提案し、電線管理者が全ての設計・施工を一体的に実施することで約18ヶ月の工期短縮が図られ、一括交付金の交付期限内に納まる見通しとなりました。

⇒無電柱化ベストプラクティス集へ掲載されました。

写真 【県道16号 勝連城址前】

〇既存ストック活用方式のメリット
既存の電力埋設管路を電線共同溝の一部とし、取り込みながら整備を行うため、電線共同溝整備規模の縮小を図ることが可能となります。また、既設管路、既設マンホールを利用することにより支障移転を回避することができます。⇒整備費用の削減や工期短縮が図られます。

写真 【既存ストック手法の比較】

5.無電柱化ベストプラクティス集の紹介

無電柱化ベストプラクティス集とは、
経済産業省の資源エネルギー庁が作成したもので、これまで電力会社が関わってきた無電柱化整備事例の中から、地元の合意形成についての経緯や整備内容についての好事例について取り纏めた適用事例集です。

無電柱化ベストプラクティス集の紹介

6.その他 詳細資料について

7.各種お問い合わせ窓口

沖縄電力株式会社 送配電本部 配電部 配電企画グループ
住所 〒901-2602
沖縄県浦添市牧港五丁目2番1号
TEL 098-877-2341
受付時間 土日祝祭日を除く 9:00~17:00