太陽光発電

宮古島メガソーラー実証研究設備

宮古島メガソーラー実証研究設備

(1)研究の背景

太陽光発電は環境に優しいエネルギーとして注目される一方、その出力は天候により大きく変動するため、電力系統に大量導入されると、電圧や周波数等、電力の品質に影響を及ぼす恐れがあります。

特に離島では、電力系統が他の地域から独立しており、規模が小さいため、その影響がより顕著となります。

当社は、離島の独立型系統へ、太陽光発電設備を大量導入した場合の実系統へ与える影響を把握するとともに、蓄電池による系統安定化対策の有効性を確認するため、沖縄県宮古島において以下の実証研究を行っています。

本実証研究は経済産業省の「平成21年度離島独立型系統新エネルギー導入実証事業補助金」を活用して設備を構築しました。

天候で変化する太陽光発電出力

天候で変化する太陽光発電出力

(2)宮古島メガソーラー実証研究設備の概要

宮古島の位置

宮古島の約10万m2の敷地に、総出力4,000kWの太陽光発電設備を設置しました。年間発電量は一般家庭約1,200世帯分の電気使用量に相当します。

太陽光発電の出力変動や宮古島系統の周波数変動を抑制するため、4,000kWのNaS電池を設置しました。また、太陽光発電が併設された一般家庭100軒等を模擬できる設備も導入しました。これにより、様々な形態で太陽光発電が大量導入されたケースを再現できます。

宮古島の最大電力 約55,000kW
太陽光発電 4,000kW
蓄電池 NaS電池:4,000kW、28,800kWh
リチウムイオン電池:100kW、200kWh

(3)実証研究の概要

  1. 太陽光発電出力変動抑制効果の検証
    太陽光発電の急峻な出力変動を蓄電池で平滑化する制御機能および蓄電池所要量の検証
  2. 周波数変動抑制効果の検証
    ディーゼル発電機の周波数制御に加え、蓄電池による周波数制御機能および蓄電池所要量の検証
  3. 太陽光発電設備のスケジュール運転の検証
    太陽光発電の出力予測から作成した太陽光発電と蓄電池の発電計画に基づくスケジュール運転の検証
  4. 模擬線路における最適制御階層の検証
    模擬配電線路に連系されている蓄電池と太陽光発電の最適制御階層に関する検証

実証研究の成果について

①の「太陽光発電出力変動抑制効果の検証」について、太陽光発電の出力変動をNaS電池の充放電で打ち消して平滑化する制御機能を確認しました。その結果、NaS電池により太陽光発電の出力変動を平滑化し、周波数変動を緩和できることが分かりました。

太陽光発電出力変動抑制効果の検証事例

太陽光発電出力変動抑制効果の検証事例

②の「周波数変動抑制効果の検証」について、太陽光発電や風力発電の出力変動に起因する宮古島系統の周波数変動をNaS電池の充放電で打ち消して平滑化する制御機能を確認しました。その結果、ディーゼル発電機による周波数制御に加え、NaS電池により周波数制御を行うことで、周波数変動を緩和できることが分かりました。

周波数変動抑制効果の検証事例

周波数変動抑制効果の検証事例

③の「太陽光発電設備のスケジュール運転の検証」について、太陽光発電をディーゼル発電機と同様に安定的且つ計画的な電源として活用するため、翌日の太陽光発電とNaS電池の合計出力を予め計画し、スケジュール運転が可能か検証しました。その結果、スケジュールと太陽光発電実出力の差をNaS電池で充放電することで、太陽光発電出力変動に関わらず、予め計画した発電量を安定的に得ることができ、系統安定化およびディーゼル発電機の発電量低減効果を確認しました。

太陽光発電設備のスケジュール運転の検証事例

太陽光発電設備のスケジュール運転の検証事例

④の「模擬線路における最適制御階層の検証」について、配電系統を模擬した装置を用いて、太陽光発電の出力変動を各家庭に設置した蓄電池で打ち消すケースや、変電所に設置された蓄電池で打ち消すケース等、太陽光発電が配電系統に大量導入された場合の適切な蓄電池設置場所を検証しました。

(4)今後の展望

本実証研究を通じて、離島独立型系統に太陽光発電が大量導入された場合の系統への影響および蓄電池による系統安定化対策の有効性を確認しました。また、太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで安定電源として活用し、離島におけるディーゼル発電機の発電量を低減できることを確認しました。 当社は本実証研究で得られた知見を基に、太陽光発電が大量に導入された場合には電力系統の安定運用が維持できるよう対策し、低炭素社会の実現に向けて引き続き取り組んでいきます。

当研究設備の見学について