「ひかりの風景」デジタル写真コンテスト
多くの皆さまにご好評いただいた「おきでんイルミネーション大賞」のコンセプトをさらに発展させ、より多くの県民の皆さまに「電気のひかり」が持つ“あたたかさ”や“華やかさ”、“安心感”などに触れていただけるよう、どなたでもお気軽にご参加いただける、おきでん「ひかりの風景」デジタル写真コンテストを創設しました。
お知らせ
第17回おきでん「ひかりの風景」デジタル写真コンテスト入賞作品を発表!
応募総数1,482作品の中から、以下の29作品が入賞作品に選ばれました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
大賞
優秀賞
一般部門
「暮らし」
「夜景」
「沖縄」
ジュニア部門
奨励賞
一般部門
「暮らし」
「夜景」
「沖縄」
ジュニア部門
特別賞

- 【島元 智 審査委員】
- 私が作品を審査するとき、幾つかのスタンダード(標準、めやす)を設けて行っています。その中で最も趣を置いているのは、「見えないものが写っているか?」という設定です。
「見えないものが何故写るんですか?」と言われることがあります。私たちの身の回りには、なくてはならない大事なものだが、目に見えないものが無数にあります。幾つか例を挙げますと、空気・風・時間・音・電気・電波・酸素や、食べ物の中の栄養素・カロリー・ビタミン・タンパク質などです。そして私たちの言葉、“心”も見えません。
私たちは、人の態度や行動、あるいは表情でその人の心のありようを感ずることができます。「見えないものが写っている。」と言うとき、写っている作品の中から、表層だけでなく、その中に感ずるものがある、という意味になります。
今回の作品で、ジュニア部門、安里すずらさんの「君の笑顔が見たいから」は床に伏せた伴侶を見守る、多分作者の祖父かと思える男性の心が見えるような感動が胸の内から湧いてきました。
すずらさんの作品のような、「見えないものが写っている作品」が多い、「ひかりの風景」デジタル写真コンテストは、多くの写真愛好家の質を高めるコンクールだと思います。

- 【仲本 賢 審査委員】
- 本コンテストは今年で第17回を迎えました。主催者のホームページを見ると、より多くの県民の皆さまに「電気のひかり」が持つ“あたたかさ”や“華やかさ”、“安心感”などに触れていただけるよう、どなたでもお気軽にご参加いただける、おきでん「ひかりの風景」デジタル写真コンテストを創設しました、とあります。
そのため、電気で作るひかりの「あたたかさ」や「華やかさ」「安心感」が表現ざれている写真を念頭に置きながら、5名の審査員で選出したことになります。
本年度の大賞受賞の「おやすみ前の日課」は、日常の温かい家族の光景を映したものでした。寝転がって子どもたちに絵本を読み聞かせながら談笑する大人と子どもの幸せな家族を、温かい色調の光で照らしていました。 フローリングにマットレス、ビーズのクッションとサメのぬいぐるみ(クッション)、優しそうなお父さん(お兄さんの可能性も?)と穏やかな性格の長女、明るい性格の次女、まだ文字を理解しない長男が少し遠巻きに絵本を覗きこんでいる。それをこちら側でお母さん(役の人)が暖かく見守っている様子が浮かんできます。これはあくまでもそのように想像できるという意味で、そうであったろうと断定するものではありません。また、画面の中の人物の配置も、グラフィックの構成上、これ以上ないとも言える構成力だと感じました。上記のアイテムの全てがあるべきところに配置できている、と感じました。 昨年度の大賞が「面白さ」に特化していて、ひねりが効いていて少しホラーチックなように感じたのとは真逆のアプローチであったと思います。
優秀賞は4点ありますが、中でも「君の笑顔が見たいから」「おかあさんがするなら、わたしもする」「たのしいひととき」の3点は、どれも家族の愛情の情景を表現した見応えのある写真でした。もう一つの「発電、放電」は、自然現象と人工物である発電所をうまく組み合わせた技ありの写真でした。
奨励賞や特別賞は、優秀賞には届きませんでしたが、それは劣っていたというわけではなく、どの作品が選ばれてもおかしくない印象的な写真ばかりでした。これらの作品を見ていただいて、私ならこの作品を選んだのに、と思っていただけるといいなと思います。

- 【比嘉 友理 審査委員】
- 第17回おきでん「ひかりの風景」デジタル写真コンテストの開催おめでとうございます。このコンテストは沖縄の高校生の間でも人気が高く、沖縄の短い貴重な冬を彩る風物詩になっていると感じます。
ジュニア部門の優秀賞に輝いたのは浦添工業高校の安里すずらさんでした。ジュニア部門は審査員一同、一般部門以上に「落とせない」と感じる作品が多く悩んでいる中で、安里すずらさんの「君の笑顔が見たいから」に関しては5名の意見が一致して、迷いなくジュニア部門の優秀賞に選ばれました。惜しくも選出されなかった作品の中にも、技術の高さを感じさせるものは多かったのですが、安里さんの作品を見ていると、改めて技術以上に何を撮るかが大事なのだなぁと感じさせられました。家族や身近な被写体に目を向け、愛情を持ってシャッターを切っている優しい眼差し。見ているこちらもじんわりと温かくなるような作品でした。安里すずらさん、ジュニア部門優秀賞おめでとうございます。
ジュニア部門奨励賞の石川千乃さんの作品も人気があり、コメントでモデルが何を頑張っているのか分かったのが良かったです。同じく奨励賞の森田さん、高岡さんも入賞おめでとうございます。撮らせて下さったモデルの方へ、ぜひ感謝の気持ちを伝えて下さい。當間由奈さんの「プリズム」は、友人と協力して作品作りを創意工夫している様子が伝わり、更に画面の隅々までよく見て練られていることに好感を持ちました。今後も写真部活動を一層盛り上げていって欲しいと思い応援しています。
一般部門でも印象的な作品は多くありましたが、今回特に惹かれたのはテーマ夜景の「天の川と送電線」という石垣島で撮られた作品でした。電気や光そのものではなく、それらを送り届けている「送電線」を主役にして、夜空の美しさと大会テーマを成立させているところに目が釘付けになりました。受賞された皆さま、誠におめでとうございます。
最後に、応募された全ての作品に対しての敬意とともに、今年もこのようなコンテストの機会をつくって下さっている沖縄電力株式会社さまに感謝申し上げます。

- 【島 洋子 審査委員】
- 大変楽しく、と同時にとても難しい選考でした。新聞社で長年、編集の仕事に携わっていますと、求められる写真は目の前に起こっている事象を的確に、被写体以外の周辺も含めて多くの情報が入っていることが求められます。そのためには被写体や構図などを計算した、いわゆる「狙った」写真を撮りがちです。
しかし、今回の第17回おきでん「ひかりの風景」デジタル写真コンテストに寄せられた約1,500点の応募作は日常の一コマの一瞬を無心に切り取った、「狙っていない」作品が圧倒的に多く見られました。撮影する側の温かい目線が感じられる作品ばかりでした。 一枚一枚を繰るごとにほっこりしたり、にっこりしたり、心が豊かになると同時に、それぞれに素晴らしい作品群から数点を選び出すのは容易なことではありませんでした。 そして気づいたのは「ひかり」がいかに人に安らぎを与えるか、です。人は、北極星を目指すかのように光に引き寄せられ、光に包まれて安全や安心を得ます。その光の効果を生かした作品が入賞作品に選ばれました。 大賞に輝いた「おやすみ前の日課」は、お父さんの読み聞かせに集まる子どもたちの表情が三者三様で、とてもほほえましい作品です。優秀賞(暮らし)の「たのしいひととき」は、子どもの一心なまなざしが目を引く一枚でした。優秀賞(夜景)の「発電、放電」は雷が走る夜空の一瞬を切り取った秀逸な作品です。 優秀賞(沖縄)の「おかあさんがするなら、わたしもする」は母子ちょんだらーの扮装のおかしみとおんぶして同じ方向を向いた構図がすばらしいです。 優秀賞(ジュニア)の「君の笑顔が見たいから」」は互いをいたわる家族の様子が伝わってきました。他にも印象的な作品が多数ありました。多くの皆さまに見ていただきたいと思います。
最後に応募してくださった皆さまにお礼を申し上げ、またコンテストを主催する沖縄電力さまのご尽力に感謝いたします。

- 【又吉 優子 審査委員】
- 今回は、過去2番目に多い1,482点の応募をいただきました。当コンテストが県民の皆さまに定着してきたことの顕れと、主催者側として大変嬉しく思い、心より感謝申し上げます。
何気ない日常に訪れた貴重なワンシーンを、スマートフォンで逃さず収めた作品、一眼レフや専用の機材を用い、ご自身のイメージするテーマにこだわり抜いて納得いくまで創り上げられた作品。プロセスや機材は異なりますが、全ての作品に撮影者それぞれの個性やストーリーが溢れだし、皆さまの豊かな感性と写真文化の広がりを感じることが出来ました。
当コンテストは、構図と技術にこだわったプロ目線の作品だけでなく、アイディア溢れる視点で撮られた作品をたくさんご応募いただけるのも特徴の一つだと思います。端正な美しい作品に目を奪われる一方で、荒々しくも瑞々しい自由な感性が溢れるそれらの作品にも心を揺さぶられてしまい、選定には本当に苦労致します。県内の写真文化を未来に紡いでいく一助を担う自負の下、心を鬼にして今回も受賞作品を選ばせていただきましたが、受賞を逃した作品にも未練を感じずにはいられません。
当コンテストが県民の皆さまに益々愛され、もっと親しまれるものとなるよう、今後も主催者側一同、運営に努めさせていただきます。次回も皆さまの素敵な「ひかりの風景」に触れることを、心より楽しみにしております。