電化厨房機器の導入により、快適な作業環境を実現し、厨房スタッフの負担を軽減。
学校給食の安全を第一に考え、HACCP概念に基づいた衛生的な厨房環境を実現。
安全で、おいしい“食”は、快適な厨房環境から
厚生労働省が推進する、「HACCP」概念に基づく厨房の衛生管理
平成8年に発生した病原性大腸菌O-157による集団食中毒は、食の安全性に対する意識を大きく変えるものとなりました。
大量調理施設については、従来から衛生水準の積極的な向上を図るよう指導されてきましたが、厚生労働省は新たにO-157対策として、現在、厨房の衛生管理システムの国際基準とされる「HACCP(ハサップ)」の概念に基づいて作成した「大量調理施設衛生管理マニュアル」を全国に通知しました。
食中毒菌の繁殖要件は、①水分と栄養、②温度、③時間の3つで、例えば厨房の床に水をまくと「①水分と栄養」が与えられ、燃焼式の調理機器を使用する厨房では「②温度」が細菌発育の危険温度帯(35~45℃)まで上昇し、「③時間」が経過すれば極めて不衛生な状況になります。厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルにおいては“施設はドライシステム化を積極的に図ること”また“調理場の温度は25℃以下に、湿度は80%以下に保つこと”が望ましいとの記載があり、これまでの一般的な厨房環境の改善が強く求められています。こうした条件を満たす厨房環境の実現には、あらゆる面で「電化厨房」が優れており、全国で関心が高まっています。
電化厨房の3Cが厨房環境を変える
COOL(クール)
炎を使わない電化厨房は輻射熱が少ないため、厨房内の温度が上がりにくく、衛生的な厨房環境を容易に維持することができます。これにより働く人にも安心で快適な作業環境が整います。また空調や換気に係る負荷を軽減できることから、ランニングコストを抑えることができます。
CLEAN(クリーン)
電化厨房は燃焼を伴わないので、水蒸気の発生や油煙、スス等による汚れが少なく、厨房内を常に清潔な環境を容易に保つことができます。そのため床面を水洗いする頻度が少なくて済むことから、ドライキッチンを実現しやすくします。
CONTROL(コントロール)
電気の高いコントロール性能により、調理における温度と時間の管理(T.T.管理)が簡単に行うことができます。操作も簡単なため調理のマニュアル化が容易になり、業務の効率化が図れます。
中城村教育委員会 教育長
伊佐 盛信さま
(平成18年当時)
食の安全面を第一に考えたら、やはり電化厨房だった。
中城村では学校給食共同調理場の改築に伴い、電化厨房の導入を決定しました。
これは平成8年当時騒がれていたO-157問題もあり、作業の衛生面・食の安全面を第一にという、村長の決断によるものでした。衛生管理に優れた電化厨房は、空気も汚れず適温での作業が可能となり、火を使用しないので火災の心配が軽減できます。
また、この調理場の特徴としては2階から調理の様子が見えるので、他の地域からの研修、PTAの方々や生徒さん達がよく見学にいらっしゃいます。自分たちの食べている給食を作っている人の顔、安全な現場を見ることで給食への認識も変わってくることと思います。
現在は、村内の小中学校へ向けて給食を届けていますが、将来的には幼稚園や預かり保育施設への拡大も検討しています。
※平成27年現在幼稚園(2園)への拡大実施。
所長
儀間 恵美子さま
(平成18年当時)
安心して食べられるおいしい給食で、子どもたちの笑顔が見たい。
平成18年5月に新たに完成した中城村学校給食共同調理場の改築には、それまでに電化厨房を導入していた恩納村給食センターも参考に検討を重ねてきました。
まず、働きやすい環境でないとおいしいものが作れません。職員の健康管理を考えた作業しやすい環境、清潔な調理場で安全に子どもたちの給食が作れる点を第一に考えた上で電化厨房の導入に至りました。
職員からも「清潔で熱がこもらないので以前より作業しやすくなった」、「電化厨房機器導入によって効率があがった」との声を聞いています。
今後は地元の特産物を使ったメニュー開発等の工夫を重ね、子どもたちにさらに喜ばれる給食を提供していきたいと思っています。
調理担当
新垣 善浩さま
(平成18年当時)
お互いの体調管理もしやすく、効率よい作業ができる調理場です。
中城村の子どもたちに給食を作り続けて20年になります。学校給食も、メニューから容器の質に至るまでどんどん様変わりしています。
現在、小中学校(分校も含めて)5校分の給食を作っていますが、それぞれの給食開始時間に合わせて無駄なくスピーディーに作業できる電化厨房はとても素晴らしいです。これまでやってきた環境が変わるのは不安もあったのですが、導入後2週間くらいで厨房機器にもすっかり慣れました。
移転前の調理場は薄暗く、熱気のこもる中で汗だくになりながらの作業でした。調理の手を止めてシャワーに入ったり、水分補給をしていたのが、今ではお互いの顔を見ながら快適な室温で仕事ができ、体調管理もしやすいのもありがたいですね。
導入から10年作業環境改善に大満足です!
中城村学校給食共同調理場で電化厨房を取り入れて10年が経過しようとしています。以前のガス厨房に比べ、メニューに合わせた温度設定が簡単にできるので、給食の仕上がり時間の目安も立てやすく、児童生徒に日々美味しい給食を届けています。また、電化厨房は調理機器の手入れがしやすく作業量が大幅に改善されたうえ、快適な室温で作業ができ、作業員の負担の軽減に繋がっています。これからも電化厨房の良さを充実した給食作りに活かしていきたいと思います。
(中城村学校給食共同調理場 調理主任 新垣 善浩さま)
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1移動式ピーラー(3P-200V:0.4kW)×1台
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2プレハブ冷蔵庫(1P-100V:0.044kW/3P-200V:1.470kW)×1台
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3プレハブ冷蔵庫(1P-100V:0.364kW/3P-200V:3.380kW)×1台
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4電動式缶切機(1P-100V:0.1kW)×1台
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5器具消毒保管庫(3P-200V:12.75kW)×1台
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6検食保存用冷凍庫(1P-100V:0.368kW)×1台
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7水圧式洗米機(1P-100V:0.370kW)×1台
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8パススルー冷蔵庫(1P-100V:0.697kW)×1台
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9新油タンク(3P-200V:0.75kW)×1台
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10高速度ミキサー(1P-100V:0.4kW)×1台
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11移動式フードスライサー(3P-200V:0.95kW)×1台
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12移動式サイノ目切機(3P-200V:0.4kW)×1台
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13器具消毒保管庫(3P-200V:19.5kW)×1台
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14フライヤー兼用電気回転釜(3P-200V:31.5kW)×1台
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15スチームコンベクションオーブン(3P-200V:34.6kW)×2台
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16食用油ろ過器(1P-100V:0.4kW)×1台
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17電気回転釜(3P-200V:31.5kW)×5台
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18真空冷却機(3P-200V:2.59kW)×1台
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19器具消毒保管庫(3P-200V:7.95kW)×1台
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20カートイン冷蔵庫(1P-100V:0.737kW)×1台
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21カートイン消毒保管庫(3P-200V:1.56kW)×3台
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22食缶下洗機(3P-200V:0.84kW)×1台
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23食缶洗浄機(3P-200V:5.05kW)×1台
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24コンテナ洗浄機(3P-200V:5.8kW)×1台
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25自動食器浸漬槽(3P-200V:0.98kW)×1台
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26食器洗浄機(3P-200V:11.72kW)×1台
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27食器洗浄用コンプレッサー(3P-200V:2.2kW)×1台
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28昇降式コンテナ消毒保管庫(3P-200V:3.78kW)×6台
電化厨房学校給食施設
中城村学校給食共同調理場
〒901-2412 中城村字奥間367-6
建物構造/鉄筋コンクリート(中2階)
総床面積/751㎡(703+48)
施設面積/3,165㎡
建築面積/614.91㎡
調理能力/2,000食/日