単価が安定している天然ガスへの燃料転換によって、安定的な経営を実現
ガス導管での天然ガス供給により、燃料の受け入れ等の管理に要する手間やコストを削減
燃料転換時の技術サポート(見える化)により、燃焼効率アップ、数値による保守管理を確立するとともに管理コストを削減
拓南製作所株式会社は、平成29年4月に「拓南鐵建」「沖縄ガルバ」「拓南伸線」の3社が合併。鉄骨工事を主体とする「建設鐵構事業所」、県内唯一の溶融亜鉛めっき加工業の「ガルバ事業所」、線材製品、鋼管製品の製造販売を行う「伸線・フォーミング事業所」の3事業所が、「拓鐵興琉」(鉄鋼業を開拓して、琉球の振興発展を図る)の企業理念のもと、建設分野で沖縄の産業・経済を支えています。
代表取締役副社長
吉長 盛信さま
ガルバ事業所
取締役事業所長
仲松 庸一郎さま
溶融亜鉛めっきは、鉄鋼品を長期的にわたってサビから守り、耐久性と美観を保つ、最も経済的な方法として広く認められており、沖縄で唯一溶融亜鉛めっき加工を行うガルバ事業所は沖縄の建設業を支える重要な役割を担っています。
溶融亜鉛めっきは大きく分けて、材料の脱脂、酸洗、水洗、フラックス処理、めっきの工程から成ります。それぞれ、最大で11m×1.5m×2mの被めっき物が入る巨大な槽に浸漬していくのですが、この内、脱脂槽は80℃、めっき槽は被めっき物によっては最高470℃まで加熱する必要があります。また、作業を行わない夜の間も亜鉛の融点である420℃以下に下げることが出来ないため、燃料の安定供給が不可欠です。当社は創業から長らく重油を燃料として使っていましたが、平成13年の設備更新のタイミングで効率も考慮した上でLPGに転換しました。当時はLPGの価格が安く、大きなメリットがありましたが、その後、LPGも徐々に価格が高騰してきたため、経営の見通しが立て辛い状況が続いていました。
そのような時に、吉の浦火力発電所から導管で天然ガスを供給できるというお話を沖縄電力さんからいただき、天然ガスは価格が安定しており単価も安いということで、天然ガスの導入に踏み切りました。
天然ガス導入後は価格が安定していることもあり、将来的な経営の見通しが立て易くなりました。また、天然ガスは導管で供給されますので、それまで使用していたガスタンクが不要になり、同時にそのメンテナンスの必要もなくなりました。
導入の際には技術サポートの一環で、燃焼や排ガスに関する情報を数値で提供していただきましたので、それまで感覚にたよっていたバーナー設備の運用・保守管理がデータでできるようになり、保守管理のコスト削減、安定操業に繋がっています。
(取材日:平成30年10月)
ガス配管
めっき炉
溶融亜鉛めっき処理
操作室
めっき処理後、白サビを防ぐためシリカ槽に浸漬