風力発電の更なる活用
風力発電の特性と向き合い、安定供給と地球温暖化対策の両立の実現に向けて取り組みを推進してまいります。
風力発電は、風の力を受けた風車(ブレード)の回転運動で発電する方法で、太陽光発電と同様に発電時にCO2を排出しない、クリーンな発電方法の一つです。
当社はこれまで、再生可能エネルギー導入によるCO2排出抑制および離島部門の燃料費低減などに向けて、小規模離島へ風力発電設備を導入してきました。
可倒式風車の導入
当社は、日本初となる可倒式風力発電設備を波照間島(245kW×2基)、南大東島(245kW×2基)、多良間島(245kW×2基)、粟国島(245kW×1基)に計7基導入しています。 可倒式風力発電設備は、90度近く倒すことができ、台風などの強風を避けることで設備の故障を防ぎます。 また、地上付近でのメンテナンスも可能となるため、保修にかかる期間や費用の低減にもつながります。
新着情報 波照間島における再エネ導入拡大実証事業の実施について
当社、株式会社沖電工、株式会社ネクステムズおよび株式会社石垣島未来エネルギーは、内閣府が公募する「令和7年度沖縄型クリーンエネルギー導入促進実証事業」に4社共同事業体(コンソーシアム)で応募し、「波照間島における再エネ導入拡大実証事業」(以下、本事業)が採択されました。
波照間島では、2009年に国内初の可倒式風力発電を導入しております。2018年には再エネ利用拡大への取り組みとして、沖縄県の事業を活用しモーター発電機(MGセット)を設置し、2020年には約10日間の再エネ100%の電力供給に成功いたしました。
本事業では、新たに再エネ電源、蓄電池、離島EMS(Energy Management System)、需要家側EMSを構築し、それら設備と既設ディーゼル発電機を効果的に組み合わせることでシステム全体を制御し、波照間島内の電力系統を安定化しながら、再エネ100%による電力供給の更なる時間拡大を目指しております。
本事業を通して得られる成果は、沖縄エリアと類似する国内外の島嶼部やマイクログリッドを志向するエリアへの展開など、国内外のカーボンニュートラル推進に寄与する技術開発となることが期待できます。
本事業を通して、沖縄県の再エネ導入拡大、今後の持続可能なエネルギーシステムの構築、安定供給と地球温暖化対策の両立の実現を推進してまいります。
トピックス 波照間島の再生可能エネルギー100%供給を約10日間達成
沖縄県の「スマートエネルギーアイランド基盤構築事業(小規模離島における再生可能エネルギー最大導入事業)」を受託し、 波照間島において実施中の再エネ導入拡大の実証運用において、再生可能エネルギー100%(風車+モータ発電機+系統安定化装置)供給229時間27分(約10日間)を達成。 国内初の取り組みで、大幅に記録を更新しました。
モータ発電機は、再エネの余剰電力で充電した蓄電池を駆動源として稼働するため、これまで系統に投入できずに出力制限していた再エネの余剰電力を有効活用することができます。 また、ディーゼル発電機と同等の機能を有する装置として商用系統に接続しており、再エネの導入拡大に向けた世界的にも類を見ない取り組みです。