WARMING COUNTERMEASURES気候変動に関する情報開示の充実化
~TCFD提言への対応~

当社は、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同し、持続的発展が可能な社会の実現に貢献します。

従来より当社は、環境・社会・ガバナンス(ESG)の観点からCSRレポート等での情報開示に努めてきました。また「沖電グループ環境方針」に基づき、地球温暖化防止や環境負荷の低減にグループ一体となって取り組んでいます。

TCFD/沖縄電力は2019年9月、TCFD最終報告書の趣旨に対する賛同を表明いたしました。※G20 財務大臣及び中央銀行総裁の意向を受け、金融安定理事会(FSB)が設置した気候関連財務情報開示タスクフォース

このような中、2019年に「気候変動が事業活動にもたらすリスク・機会を分析し、情報開示を推進する」というTCFD提言の趣旨に賛同しました。気候変動に関する取組みを推進し企業価値の向上に努めるとともに、情報開示を充実させ、ステークホルダーの皆さまとともに持続的発展が可能な社会の実現に貢献していきます。

ガバナンス

  • 気候変動への対応を重要な経営課題と位置づけ、2021年7月に社長を委員長とする「カーボンニュートラル推進委員会」を設置しました。気候変動に係る諸施策および諸問題についての審議を行い、取組み等の改善・充実を図っていきます。
  • 「カーボンニュートラル推進委員会」は定期的に開催することとし、審議結果ならびに管理状況について取締役会に報告するほか、気候変動に関する重要課題が発生する際には適宜報告し、確認を受けることとしています。
  • 「 カーボンニュートラル推進委員会」で審議した重点取組み方針は経営計画、経営方針に反映され、取締役会にて審議、決定することとし、各事業部門は事業計画の執行状況を取締役会に報告します。
  • ゼロエミッションの実現に向けた体制強化を目的に、2021年7月に副社長を本部長とするカーボンニュートラル推進本部(CN推進本部)を新設しました。環境部および研究開発部を同本部内に配置し、環境部においては、ゼロエミッションに向けた地球温暖化対策をはじめとした環境対策全般により一層取組み、研究開発部においては、再エネ関連研究の応用および新たな技術開発・イノベーションに関する研究に取組みます。具体的な諸施策について、着実かつスピーディーに推進していきます。
取締役の図

戦略 ― 気候変動シナリオの参照 ―

【世界平均地上気温変化予測】(1986 ~ 2005 年平均との差)

戦略 ― 気候変動に係るリスクと機会の整理 ―

気候変動に係る主なリスクと機会について下表のとおり分類しました。

気候変動に係る主なリスクと機会の図

リスク管理

リスク管理については、毎年、リスクの未然防止およびリスク発生時の迅速な対応を目的にリスクマネジメントの状況を確認しています。また気候変動リスクを含めた業務上や財務上のリスクについては別途、関連部門と調整の上、確認を行っています。特に、設備保有部門で気候変動に伴い発生する物理的なリスクを重要なリスクと想定しており、設備保護、従業員の安全確保の観点から評価しています。リスク対応マニュアルなどの規程文書を定めるとともに、台風や津波などに起因する災害を想定した訓練を行う等、リスク発生に備えるとともに、定期的に防災計画の有効性の評価・分析、リスク低減に向けた対応策等を検討し、適切に対応しています。リスクマネジメントの状況については、経営層へのマネジメントレビューの際に報告しています。

指標と目標

当社は、2020年12月に長期的な指針となる「沖縄電力 ゼロエミッションへの取り組み ~ 2050 CO2排出ネットゼロを目指して~」を公表するとともに、中期目標として「2030年度にCO2排出量2005年度比26%削減」を掲げました。

当社は、京都議定書第1約束期間(2008~2012年)以前から温暖化対策を重要な経営課題と認識し、その取組みならびに検討を行ってきており、2010年度に具志川火力でのバイオマス混焼開始、宮古島メガソーラー実証研究設備の導入、2012年度に当社温暖化対策の柱となる吉の浦火力(LNG機)の導入を行ってきました。

2030年度に向けて、ロードマップに示した「再エネ主力化」として再エネ導入10万kW、「火力電源のCO2排出削減」としてLNG 消費拡大、石炭機の地域バイオマス活用による高効率化、CO2フリー燃料の活用検討などにより、中期目標の達成、および2050年CO2排出ネットゼロの実現に向け、エネルギー政策の基本的視点(S+3E)を踏まえ取り組んでいきます。

※安全性(Safety)、安定供給(Energy security)、環境性(Environment)、経済性(Economic efficiency)