当社は事業活動にあたり、さまざまな自然の恵みに感謝しつつ、地域環境における生物多様性に配慮した環境保全に努めることにより、持続可能な事業活動を目指しています。
発電所においては、周辺環境との調和や生き物の生息環境の保全を目的として、構内の緑化を行っています。
今回は、植樹から約5年が経過した吉の浦火力発電所の緑化状況と生き物の生息状況について調査した結果をご紹介します。
緑化計画(吉の浦火力発電所)
吉の浦火力発電所の緑化にあたっては、周辺地域の植生調査結果に基づき、周辺地域の自然植生を構成する在来種(オオハマボウ、アダンなど)を主体とした多様な樹種を植栽するとともに、野鳥等のエサとしての役割となる樹木(シマグワ、サンゴジュなど)を取り入れることにより、生き物の生息環境にも配慮しました。

動植物の調査結果(吉の浦火力発電所)
緑化状況の調査
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発電所構内の約2万3千m2に苗木約2万5千本、種子約3万個の植え付けを行ったのち、緑地帯の成長の様子を確認するため、定期的に構内の各緑地帯の定点調査を行いました。
植え付けから約5年が経過した2017年には、緑地帯は樹高3~5m程度となり、いろいろな生き物が採餌、繁殖、休息する良好な植物群落へ成長していることが確認されました。
2012年(植樹直後)
2013年(植樹1年後)
2017年(植樹5年後)
生き物の生息状況の調査
成長した緑地帯が生き物に良好な生息環境を提供しているかを確認するため、調査を行いました。
多くの鳥類がエサを取り、休息するため緑地帯を利用していることが確認されました。

木の実を食べるシロガシラ

眠っているメジロ

休息中のアオサギ
巣作りやヒナにエサを運ぶなどの繁殖行動も確認されました。

構内街路樹(フクギ)に巣を作ったシマキンパラ

ヒナにエサを運ぶイソヒヨドリ
昆虫類
昆虫類は、発電所建設前(環境アセスメント調査時)と比べて、種類数が約1.5倍になっていることが確認されました。

虫を食べるハラビロカマキリ
●発電所構内で確認された昆虫類の種類数変化

その他の生き物
発電所構内では、鳥類、昆虫類以外にも さまざまな生き物が確認されました。

木の実を食べるオリイオオコウモリ

オカヤドカリ
その他の発電所について
その他の発電所で確認された生き物
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当社では、吉の浦火力発電所以外の発電所でも緑化を行い、多くの生き物に良好な生息環境を提供しています。
サシバ
(金武火力発電所)イソヒヨドリ
(具志川火力発電所)ハクセキレイ
(石川火力発電所)リュウキュウカジカガエル
(牧港火力発電所)アオスジアゲハ
(金武火力発電所)ショウジョウトンボ
(金武火力発電所)
《「シロ」か?「クロ」か?》COLUMNコラム
沖縄県内の水辺では、白いサギをよく見かけることがありますが、正式な名前(種名)をご存知でしょうか。
普段、「シロサギ」「シラサギ」という呼び名を耳にすることがあると思います。実はその呼び名・・・種名ではないのです。
沖縄県内でよく見かける白いサギには、ダイサギやコサギなどの種名の鳥がいて、体の大きさ、クチバシや足の色などに違いがあります。
また、沖縄では白いのにクロサギという種名の鳥も見られます。クロサギには、黒色型と白色型がいて、九州以北では黒色型が主なのに対し、沖縄では白色型が主に見られます。

ダイサギ

コサギ


クロサギ(左:白色型、右:黒色型)
上記のサギ以外にもさまざまな野鳥を発電所周辺の水辺などで見ることができますので、観察してみてはいかがでしょうか。
※2018年3月にエコキッズレポート「発電所とまわりの生き物たち」を発行しました。発電所周辺の生き物と当社の環境保全対策を子ども向けにわかりやすくまとめた内容となっていますので、ぜひご一読ください。