発電所の環境保全対策

 発電所の建設前には、建設工事や運用開始後の運用による影響を低減するため、事前に調査、予測、評価を行い、さまざまな環境保全対策を講じています。
 また、色彩や形状なども工夫し、地域の景観に配慮した発電所を建設しています。

石炭火力発電所のしくみと環境保全対策

 発電所の運転による環境への影響を可能な限り低減するため、大気・水質・騒音等に関するさまざまな環境保全対策を実施しています。
 以下に、石炭を燃料として発電する石炭火力発電所の環境保全対策について紹介します。

大気保全対策

 燃料である石炭の燃焼に伴って発生する硫黄酸化物や窒素酸化物、ばいじんを低減させるため、さまざまな対策を行っています。

[硫黄酸化物対策]

 排ガス中の硫黄酸化物を低減させるため、「排煙脱硫装置」を設置しています。

排煙脱硝装置のしくみ画像
排煙脱硝装置の外見

排煙脱硫装置


排煙脱硝装置のしくみ

[窒素酸化物対策]

 燃焼方法を改善することで、窒素酸化物の発生を抑制することができるため、「低NOxバ-ナ」や「二段燃焼方式」を採用しています。
 また、排ガス中の窒素酸化物を低減させるため、「排煙脱硝装置」を設置しています。


電気式集じん装置のしくみ

[ばいじん対策]

 排ガス中のばいじんを低減させるため、「電気式集じん装置」を設置しています。


煙突の景色

煙突(金武火力発電所)

[排煙の拡散効果による対策]

 拡散効果により排煙の地上への影響を少なくするため、「高煙突」や「集合煙突」を採用しています。


[排煙の監視]

 排煙を常時監視するため、「煙道ガス濃度連続測定装置」や「排煙監視カメラ」を設置しています。

水質保全対策

 発電所から排出される排水には微量の油分、酸、アルカリ、浮遊物質などが含まれています。
 総合排水処理装置では、分離・凝集・沈殿・ろ過および中和などにより適切な処理を行っています。

総合排水処理装置の景色

総合排水処理装置

[排水対策]

 発電所の排水中に含まれる汚濁物質を除去するため、「総合排水処理装置」を設置しています。


[排水の監視]

 排水の水質を常時監視するため、「連続測定装置」を設置しています。

温排水対策

 発電所では、冷却水として海水を利用しており、周辺海域の海生生物への影響を少なくするため、取放水の温度差を抑える対策を行っています。

石炭火力発電所の冷却水系統

[取放水対策]

 取放水の温度差を抑えるため、「深層取水方式」を採用しています。また、放水後に周囲の海水と混ざることで効果的に水温を低下させる「水中放水方式」を採用しています。


記録計による温度管理のモニター画面

記録計による温度管理

[温排水の監視]

 取放水の温度差を常時監視するため、「連続測定装置」を設置しています。

土壌汚染防止対策

 構内で使用している燃料油や薬品の漏洩に備え、土壌汚染を防止する対策を行っています。

防油堤設置の看板

防油堤設置

[漏油拡散防止対策]

 燃料油などの万一の漏油に備えるため、重油や軽油タンク、また潤滑油の保管場所の周囲には、「防油堤」を設置し、更に油吸着材等の備え付けも行っています。


防液堤設置の写真

防液堤設置

[漏洩拡散防止対策]

 発電用水の管理や排水処理に使用する薬品の万一の漏洩に備えるため、薬品タンクや薬品を扱う設備の周囲には、「防液堤」を設置しています。

地下水等汚染防止対策

 石炭火力発電所内の石炭灰を埋め立てる自社処分場では、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき、浸出水を適切に管理し、監視を行っています。

※自社処分場の維持管理については「当社における廃棄物処理施設の維持管理に関する情報について」をご覧ください。

周縁地下水等の採取状況の写真

周縁地下水等の採取状況

[周縁地下水等の監視]

 石炭灰自社処分場では、周縁地下水等を定期的に調査し、地下水への影響の有無を確認しています。

粉じん飛散防止対策

 石炭や石炭灰の取り扱い時には、粉じんが飛散しないようにするため、さまざまな対策を行っています。
 また、発電設備の補修工事等に伴う粉じんについても対策を行っています。

屋内貯炭場の写真

屋内貯炭場

[発電設備の対策]

 石炭などから発生する粉じんが飛散しないようにするため、「屋内貯炭場」や「密閉構造式揚炭機」、「ベルトコンベヤの防じんカバー」などを採用しています。


[運用上の対策]

 石炭灰自社処分場においては、気象などの状況に応じて、散水などの対策を行っています。


[工事中の対策]

 補修工事等に伴い粉じんが飛散する可能性がある場合には、飛散防止シートなどにより、工事現場を養生しています。

騒音・振動防止対策

 発電所から発生する騒音・振動を低減するため、ボイラやタービンなどの騒音・振動を発生する設備では、さまざまな対策を行っています。

[騒音・振動低減対策]

 ボイラやタービン、発電機などの騒音・振動を発生させる主要機器については、「低騒音型機器」を採用し、「屋内設置」や「防音壁」により騒音を低減しています。
 また、固い基礎への設置や敷地境界から一定の距離を保つ工夫もしています。なお、緊急時のボイラ安全弁作動による騒音の影響を抑えるため、消音器を取り付けています。


騒音・振動測定中の写真

騒音・振動測定

[騒音・振動の監視]

 騒音・振動の監視を行うため、定期的に敷地境界で測定を行っています。

悪臭防止対策

 排煙脱硝装置などで使用しているアンモニアについては、注入量を管理するための機器の設置や設備の定期的な点検に加え、万一の漏洩・拡散による悪臭防止のため、さまざまな対策を行っています。

[漏洩・拡散対策]

 アンモニア注入設備に「自動制御装置」を設置することにより、適正な注入量を維持し、排煙中のアンモニア濃度を低く管理しています。
 また、万一の漏洩に備えるために「漏洩検知器」や「防液堤」を、漏洩したアンモニアの拡散を防ぐために「散水設備」を設置しています。


悪臭測定中の写真

悪臭測定

[悪臭の監視]

 悪臭の監視を行うため、定期的に敷地境界で測定を行っています。

コラム

重油火力発電所における
海上漏油拡散防止対策

 重油タンカーからの万一の燃料漏油に備えるために、燃料油受け入れ時には、オイルフェンスを展張し、漏油の拡散防止対策を行っています。

重油受け入れ時のオイルフェンス展張風景

重油受け入れ時のオイルフェンス展張