
電気は、私たちの生活の中でなくてはならないものとなっています。
近年、送電線などの電力設備から発生する電磁界が人の健康に影響を与えるのではないかということに関心がもたれ、調査・研究が行われてきました。
これらの調査・研究は国際機関やわが国の関係機関において評価され、電力設備や家庭用電化製品など私たちのまわりの居住環境における電磁界については有害な生物学的影響が認められないとの結論が出されています。
しかし、調査・研究の一部が紹介される機会が増えたことなどにより、電磁界に対する社会的な関心が高くなっていますので、電力設備の電磁界について皆さまのご理解を深めていただくために紹介します。
電磁界とは電界と磁界をあわせて言ったもので、電気が流れているところではその周りに必ず発生します。このため、送電線などの電力設備の周囲だけでなく、私たちが日常使っているテレビや掃除機、ドライヤーなどの家庭用電化製品にも電磁界が生じています。
電力設備や家庭電化製品などから発生する50/60ヘルツの電磁界の健康影響については、表-1に示す主な関係機関から報告書が出されています。
また、表-2に示す国際的な機関などが基準およびガイドラインを示しています。
当社はこれまで、電磁界の健康影響に関する科学的な知見を収集するとともに、パンフレットを作成し、お客さまからの問合せに対して正確な情報提供に努めています。
これまでの多くの研究を総合的に評価した世界保健機関( W H O ) は、5,000μT(マイクロテスラ)以下では有害な生物学的影響は認められないとしており、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)では、電磁界のガイドラインを83.3μTと定めています。また、経済産業省、環境省などの国内外の諸機関でもいずれも、居住環境における電磁界による有害な影響は認められないとの見解を示しています。
送電線などの電力設備から生じる磁界の大きさは、最大でも20μT程度であり、WHOの見解やICNIRPのガイドラインに比較して十分に低く、また家庭用電化製品と比較しても同程度以下のレベルにあります。
これらのことから、電力設備から生じる電磁界が、人の健康に影響を及ぼすことはないと考えています。
| 機関名 | 名称 | 発行年月 | 見解 |
|---|---|---|---|
| 経済産業省 資源エネルギー庁 |
電磁界影響に関する調査・検討報告書 | 1993年12月 | ●居住環境で生じる商用周波磁界により、人の健康に有害な影響があるという証拠は認められない。 ●居住環境における磁界の強さは、WHOの環境保健基準などに示された見解に比べ十分低い。 ●現時点において、人の健康への影響を考慮した商用周波磁界に関する規制や基準を緊急に策定する必要性は小さい。 |
| 環境省 | 電磁環境の健康影響に関する調査報告書 | 1995年3月 | ●WHOの環境保健基準に示される極低周波電磁界の生態影響に関するこれまでの知見を修正するに足る報告はない。 |
| 米国物理学会 | 送電線電磁界と健康に関する声明 | 1995年4月 | ●科学的な文献(1000件以上)や、他の審査機関によって調査された報告では、ガンと電力線の電磁界に一貫した有意な関連性は示されていない。 ●電力線による体系的なガンの発生または促進に対する生命物理学上のメカニズムは確認されていない。 |
| 米国科学アカデミー | 米国科学アカデミー報告書 | 1996年10月 | ●50Hzないし60Hzの商用周波数の電磁界の影響に関する17年間に報告された500編以上の研究文献を総合的に評価した結果、送電線や配電線、家庭用電化製品(電気カミソリ、ヘアドライヤー、電気毛布など)の周りに発生する電磁界が、ガン、生殖機能障害、発育異常など人の健康被害に結びつく因果関係については、科学的に証明する決定的な証拠はない。 |
| 英国放射線防護局 | 極低周波電磁界とガンのリスク | 2001年3月 | ●実験室研究では、電磁界がガンを引き起こすことを示す十分な証拠は得られておらず、疫学研究でも、一般にガンを引き起こすことは示唆されていない。 ●高磁界と小児白血病リスクとの関連を示す疫学的証拠がいくつかあるが、磁界が小児白血病を引き起こすという結論を正当化するほどには、証拠は強くない。 |
| 機関名 | 名称 | 発行年 | 数値(μT) | 説明 |
|---|---|---|---|---|
| WHO(※1) (世界保健機関) |
環境保健基準69 | 1987年 | 5,000 | 左記の数値以下では有害な生物的影響は示されていない。 |
| 500 | 左記の数値以下ではいかなる生物的影響も認められない。 | |||
| ICNIRP(※2) (国際非電離放射線防護委員会) |
ガイドライン | 1998年 | 420 | 職業者を対象に定めた値( 参考値) |
| 83.3 | 一般公衆を対象に定めた値(参考値) |
国際連合(国連)の専門機関のひとつで、ジュネーブに本部を持ち190ヶ国以上の国々が加盟しています。全ての人々に可能な限り高い水準の健康をもたらすことを目標としています。活動範囲も伝染病の撲滅や公衆衛生の向上ほか、麻薬取り扱いに関する規則の確立や環境問題などの保健衛生の分野を受け持っています。(1984年設立)
(※2)ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)ICNIRPは、WHOとの協力のもとで非電離放射の健康影響の評価を行い、その結果に基づいて防護指針の審議を行う国際組織です。
平成20年6月30日、経済産業省 総合資源エネルギー調査会 原子力安全・保安部会 電力安全小委員会 電力設備電磁界対策ワーキング・グループによりまとめられた、電力設備から発生する商用周波(50ヘルツ、60ヘルツ)電磁界の健康影響およびそれを踏まえた政策提言に関する報告書が公表されました。
その中の政策提言の1つとして、『電磁界の健康リスクを中心とするさまざまな情報を収集し、たとえば最新の知見や日常生活におけるばく露状況などの情報について双方向のやりとりをきめ細かく行い、不安や疑問を持つ人々との信頼感の構築を目指すリスクコミュニケーションの増進を目的とした、中立的な常設の電磁界情報センター機能の構築が不可欠である。』があり、電磁界情報センターは、この提言を実現するために平成20年7月1日に設立されたものです。
(ホームページアドレス : http://www.jeic-emf.jp)