沖縄電力株式会社  環境行動レポート2009

〜地域とともに取り組む植樹活動〜  「残波しおさいの森づくり」  PDF

残波しおさいの森づくり

沖電グループでは、生物多様性用語に配慮した発電所の緑化活動の経験を活かして、自然との触れ合いの場としての森の創造および地球温暖化対策の一環として緑化推進を図ることを目的として「残波しおさいの森づくり」に取り組んでいます。

1 郷土の森づくりを目指して

沖縄県内において郷土の森づくりができないかと、2003年から沖縄県と緑化ワーキングチームを立ち上げ、植裁場所の選定を行いました。

2004年に読谷村から残波岬公園の土地の一部を森づくりに提供いただけるとの申し出があり、沖縄県や読谷村と協力して計画を練り上げ、読谷村と「残波しおさいの森づくり」の協定を締結し、郷土の森づくりがスタートしました。

 

オオハマボウ ポット苗 アダン ポット苗
▲オオハマボウ ポット苗 ▲アダン ポット苗

2 植栽樹種

植栽した樹種は、読谷村残波岬に本来生育する植物を選定しました。クサトベラ、モンパノキ、アダンなどの低木5種とオキナワキョウチクトウ、オオハマボウ、ガジュマル、フクギなどの中・高木12種の合計17種の在来種を混植・密植しました。

 

3 植樹祭の開催

植栽する場所は去る大戦で米軍が上陸して立木などが一掃され、しばらく米軍の射爆場として使われた土地で、その後は荒地となっていました。事前の磁気探査、伐開、耕運を行って植裁準備を整え、2004年11月に第1回「植樹祭」を開催しました。

記念式典の後、8千本の苗木や種子を約千人の手で植付けました。以来、2008年4月の第6回の植樹祭まで約4.2ha(東京ドーム約1個分)の土地に約6万5千本の苗木や種子を植付けました。参加者は延べ6千人を超え、地域の方々や多くのボランティアのご協力により、「残波しおさいの森づくり」で計画した植樹活動を無事終えることができました。

植樹祭の開催 残波岬公園
▲残波岬公園

●第1回〜第6回「植樹祭・植樹の集い」実績

第1回〜第6回「植樹祭・植樹の集い」実績

 

4 生育状況

生育状況
▲植裁1ヶ月後 ▲植裁3年半後

植栽し境の中、しっかりと活着してた当初は30cm程度であった苗木が3mを超す樹木に生長している場所もみられ、また、冬の北風など厳しい自然環根をおろした樹種も茂りはじめ、少しずつ森の様相を呈してきています。小鳥が植物の果実を食べて種子を運び、新たな樹種も定着しつつあり、生物多様性を育む「郷土の森」へと生長するものと思われます。

 

5 「残波しおさいの森づくり」を通して

植樹の集いのたびに地元や県内各地から約千人の方々が手にヘラやショベルを持って集まり、家族やグループ単位で所定の場所にそれぞれの思いを胸に苗木を植えていただきました。

沖電グループでは、この「残波しおさいの森づくり」を通して地域のみなさまやボランティアのみなさまとの貴重なコミュニケーションを図ることができ、さらに郷土の緑化活動がいかに大切かを実感しました。

大勢の人々に支えられ、復元しつつある「残波しおさいの森」で、沿岸から漂う潮の香りと波の音、木々の香りを感じながら自然と親しみ、互いに触れ合える憩いの場、そして環境教育の場として地元の方々から愛される森になることを願っています。

 

6 「平成20年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰」(対策活動実践部門)受賞

「残波しおさいの森づくり」の植樹活動は「平成20年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰」(対策活動実践部門)を受賞しました。これは、地域のみなさまや植栽ボランティアの方々とともに実施してきた植樹活動による県土緑化への貢献度並びに地球温暖化防止活動について評価をいただいたものです。

これからも「地域とともに、地域のために」のキャッチフレーズを実践すべく、地域の方々と一体となった緑化への取り組みを展開し、環境に優しい企業を目指して歩んでいきます。

●「残波しおさいの森づくり」に参加して


仲田栄二
沖縄国際大学  非常勤講師
仲田栄二(なかだえいじ)先生

「残波しおさいの森」は、土地本来の森づくりのすぐれた理論(方法と技術)である宮脇方式※1にもとづいて実施されていますね。これは科学的方法として高く評価されています。

子どもから大人までの幅広い年齢層を対象とした地域住民参加型の植樹祭は、ワイワイガヤガヤ話をしながら大変有意義でした。

潜在自然植生※2の顕在化した「残波しおさいの森」には炭素の貯蔵庫としての森・生物多様性の森・環境教育の森・癒しの森・環境保全の森など多くの機能および効果が期待されます。

今後も宮脇方式による「郷土の森づくり」を続けてほしいと思います。そして、動植物調査による森づくりの検証にも期待しています。

 

※1:宮脇方式とは、その土地の潜在自然植生を推定し、その構成樹種(在来種)をポット苗を用いて植樹する方法。数多くの樹種を組み合わせて混植・密植することにより植物間の生存競争が促され、自然林として成長します。

※2:潜在自然植生とは、人間の影響が全てなくなったと仮定したとき、その土地の気候や土壌などの環境条件の下、自然に繁茂すると考えられる植生のことです。